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すべては「自分のため」。仕事と人生観を見直すきっかけにも。ジャパンハートのカンボジア・ミャンマー視察ツアーレポート

弊社代表の西井は特定非営利活動法人ジャパンハートの理事を務めており、シンクロでマーケティング活動などを支援しています。

ジャパンハートは2004年に設立された認定NPO法人で、「医療の届かないところに医療を届ける」をミッションに、20年間に渡り、主に開発途上国において無償で医療提供を行っています。
シンクロが行っているサポートの一つとして、視察ツアーの運営があります。ジャパンハートの現地の活動を知っていただくことを目的に、約10名の経営者が参加し、医療支援と教育支援の施設を訪問しています。

カンボジアとミャンマーには、主に下記3つの施設があります。
・ジャパンハートこども医療センター
・養育施設「Dream Train」
・ワッチェ慈善病院
(※ミャンマーでは現在も軍事政権が続いており、時期によっては行くことが難しいエリアも)

ジャパンハート創設者であり最高顧問の吉岡秀人先生は、毎月のようにカンボジア・ミャンマーを訪問しており、今年も先生の渡航スケジュールに合わせてツアーを実施することになりました。

西井のFacebookでの呼びかけに反応したみなさんで、あっという間に定員がいっぱいに。
3月某日、カンボジア・プノンペンに集合し、現地の施設を訪問しました。

カンボジア「ジャパンハートこども医療センター」にて

今回参加したメンバー
橋本舜さん ベースフード株式会社 CEO
藤木優さん 株式会社ブライセン 代表取締役社長
中山充さん B Venture Capital General Partner
深山陽介さん 株式会社Sparty 代表取締役CEO
田邊友則さん 株式会社Greenspoon 代表取締役CEO
黒崎廉さん 株式会社Greenspoon 取締役
金井芽衣さん ポジウィル株式会社 代表取締役
福井裕美子さん 武蔵塗料ホールディングス株式会社/Musashi Paint Holdings 代表取締役社長
保要佳江さん 株式会社LOOOF 代表取締役

榊淳さん 株式会社一休 代表取締役社長(ジャパンハート理事)
西井敏恭 株式会社シンクロ 代表取締役社長(ジャパンハート理事)

神白麻衣子先生(ジャパンハート副理事長/ジャパンハートこども医療センター院長)
吉岡秀人先生(ジャパンハート最高顧問/ファウンダー/小児外科医)

ジャパンハートの医療支援

カンボジア・プノンペン郊外にあるジャパンハートこども医療センターは、ジャパンハートの医療活動の拠点となっている病院です。

カンボジアは1970年代後半のポルポト政権下、医師や教師などの知識層の多くが殺害され、国民の4分の1もの人が虐殺されました。
医療と教育が崩壊した影響は今も色濃く残っていますが、日本の医師や看護師が現地で医療活動を行い、また奨学金や日本への留学の仕組みなどにより、カンボジア人の医療人材の育成が進んでいるそうです。

吉岡先生の説明を受けながら、医療現場を見学させてもらいました

2025年にはカンボジア内に「アジア小児医療センター」という新病院の開設を予定しています。
将来的には周辺国からも貧困層の患者を受け入れて無償で治療し、また現地の医療者の育成も目的としています。

~アジア全体のサバイバルギャップを限りなくゼロにする~
新病院開設プロジェクト https://japanheart-hospital.org/

吉岡先生自身が小児外科医として執刀する様子

また、ミャンマーの中部ザガイン管区にあるワッチェ慈善病院はジャパンハートの発祥の地でもあり、2004年の創立当初から吉岡先生が医療活動を行っています。

2021年のクーデター以降、依然混乱が続くミャンマー。体制に反対して国家資格を持つ医師たちが医療活動を行わないという大規模な不服従運動が発生し、そのしわ寄せが子どもたちにも及んでいます。

ワッチェ慈善病院では、18歳以下の子どもには手術・薬・入院費用などを完全無償で治療を行っています。
医療環境が悪化している中、ジャパンハートの病院では年間で約10,000人の外来診療と、約1,200件の手術が行われており、ミャンマーの子どもたちの命を救うセーフティネットになっているそうです。

ワッチェ病院の病棟
日本の塗り絵・パズルなどのおもちゃを手にする子どもたち(スタッフさんに託し、入院中の子どもたちに渡してもらいました)

教育・自立支援

ジャパンハートの活動は、医療だけではありません。
ミャンマーのヤンゴンには、貧困による人身売買やHIVの危険から子どもたちを守る養育施設「Dream Train」(ドリームトレイン)があります。

子どもたちが安心して過ごし、夢を育んでいける場として、100人ほどが生活しています。

日本語の歌で歓迎を受けました
ミャンマーで使用されている天然の化粧品「タナカ」(Thanaka) を塗ってもらいます
子どもたちが描いた「ドリームトレイン」のイラストをTシャツにしてプレゼント!
最後はみんなで記念撮影

ツアーを終えて

ツアーでは、吉岡先生や現地で働くスタッフさんからお話を聞き、また患者さんや子どもたちとの交流もあり、ジャパンハートの現地での活動を実際に知ることができて、とても濃く有意義な時間となりました。

これだけの活動を行いながら、吉岡先生はジャパンハートから一切報酬を受け取っていないそうです。
なぜ、ここまでのことができるのか、そのモチベーションは何なのかと問うと、先生はあくまで「自分のため」にやっているとおっしゃいます。

「人のため」でもなく「相手に喜ばれたい」でもなく、「自分のため」。
これには、参加したメンバーみな、思わずうなってしまいました。

また、「短期利益は割に合わない。長期で返ってくるもの」「人生、前半大変でも後半に良くなればいいよね」という話もとても印象的でした。

医療や途上国支援というと一見ビジネスと遠いと思いがちですが、吉岡先生の話を聞き、現場で働くスタッフさんたちと接すると、自分が今後社会にどう向き合っていくか、仕事観や人生観を考え直すきっかけになります。

 

果てしない社会問題を前に、医療従事者でない者に何ができるのか考えると気が遠くなることもあります。

ですが、吉岡先生たちが目の前の命を一つずつ救っているように、私たちもたとえ微力であっても行動に移していくことが自分自身のためになり、いつか大きな力となって支援に繋がると信じて、できることから実行していきたいと思いました。

シャボン玉で遊ぶDream Trainの子どもたち

ジャパンハートの活動と支援に関して

ジャパンハートは、「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に国内外で活動する日本発祥の国際医療NGOです。
活動はすべて寄付によって賄われており、活動を支援していただける法人・個人の方を募集しています。
詳細はこちらよりご覧ください。
https://www.japanheart.org/lp/

【各国での活動について】
カンボジア https://www.japanheart.org/tag/cambodia/
ミャンマー https://www.japanheart.org/tag/myanmar/

前回開催時の参加者(2023年8月)
小林雅さん ICCパートナーズ株式会社 代表取締役
小林琢磨さん オルビス株式会社 代表取締役社長
二口英幸さん 株式会社ラグーン 代表取締役
松井健治さん 株式会社フューチャーリンク 代表取締役
丸谷篤史さん 株式会社LOOOF 取締役副社長
西井敏恭 株式会社シンクロ 代表取締役社長(ジャパンハート理事)

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