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ジャパンハートのカンボジア・ミャンマー医療施設の視察レポート

私たちにできることって何だろう?
ジャパンハートのカンボジア・ミャンマー医療施設の視察レポート

シンクロでは、特定非営利活動法人ジャパンハートの活動をサポートしています。
ジャパンハートは2004年に設立されたNPO法人で、「医療の届かないところに医療を届ける」をミッションに、20年間に渡り、主に発展途上国において無償で医療提供を行っています。

2022年末、社員と家族でカンボジア・ミャンマーにあるジャパンハートの施設を訪問したので、その様子をレポートします。

カンボジア

12月29日、プノンペン郊外にあるジャパンハートこども医療センターを訪問。
入室前にラピッドテストを受けたのち、スタッフの方に病院内を一通りご案内いただき、ドクターとたくさんのナースたちが立ち会う手術を間近で見学しました。

カンボジアの病院での吉岡先生の手術の様子

がんなどで入院する子どもたちが生活する小児病棟も見学。
手術を終えた吉岡先生と懇親会も行い、いろいろなお話を伺うことができました。

病院の入口で記念撮影。シンクロメンバーの家族も参加しました。

ここで一次解散し、一部のメンバーは吉岡先生とともにミャンマーへ入国しました。

ミャンマー

養育施設「Dream Train」

12月31日、ヤンゴンにある子どもたちの養育施設でセーフティネットでもある「Dream Train」(ドリームトレイン)を訪問しました。
なんと、子どもたちが日本語の歌(キロロの『未来へ』)を歌ってくれました!1年の最後の日にすばらしい歓迎を受けて胸が熱くなりました。

日本語の歌で歓迎を受けました

日本に留学予定の子どもから、日本語でDream Trainの施設の説明を受けました。説明をしてくれた女の子は、日本への留学が決まっているそうです。
その後、子どもたちが生活する施設(男子部屋・女子部屋)や、授業の様子を見学させてもらいました。

日本語で施設の説明をしてくれました

みんなと同じように、「タナカ」という粉で顔にペイントしてもらいました。タナカの木の粉を水で溶いて顔に塗る天然の化粧で、ミャンマーでは老若男女問わずに使われており、日焼け止めとしての意味もあるそうです。

ミャンマーの化粧「タナカ」

ミャンマーの子どもたちにもサッカーは人気のようで、元サッカー選手の萩原、現在サッカーチームの運営をしている岡田への質問もありました。
その後、萩原・岡田は子どもたちと一緒に裸足でサッカー!

裸足でグラウンドを駆け回る萩原と子どもたち
試合後はみんなで記念撮影
スタッフのみなさんも一緒に

その日の夜、ミャンマー国内を飛行機で移動しました(ヤンゴンからマンダレーへ)。
軍事政権下のミャンマーでは、地域や時間帯により夜間外出禁止令が出ており、ホテルの部屋でビールを飲んで新年を迎えました。

なお、吉岡先生も同じ時間にマンダレーに到着しましたが、そのまま夜遅くまで4件の手術をしていたそうです。

ワッチェの病院見学

1月1日、ザガイン管区にあるワッチェ慈善病院、ジャパンハート発祥の地でもある病院に来ました。

ワッチェ慈善病院に到着

元旦に関係なく病院にはたくさんの外来の患者さんが訪れており、また手術も行なわれていて、朝から吉岡先生の手術を見学しました。

朝のスタッフミーティングの様子

吉岡先生の滞在期間中は、1日10件以上・1週間で100件もの手術を組むそうです。
吉岡先生は2つの手術室を移動しながら、朝から夜遅くまで小児がんやヘルニアなどの手術をされていました。

子どもの手術を行う吉岡先生
1週間で100件もの手術スケジュールが並ぶボード

ミャンマーにはもともと小児科医が20人ほどしかいないそうなのですが、クーデター後、体制に反対して国家資格を持つ医師たちが医療活動を行わないという事態になっており、このジャパンハートの病院にも応援の依頼が増えているそうです。

入院している子どもや、病気の家族の付き添いで来ている子どもたちへのおみやげとして、日本から塗り絵・クレヨン・風船などを持ってきました。
ジャパンハートのスタッフの方に通訳していただきながら、子どもたちに直接手渡すことができました。

カラフルなキャラクターの柄がめずらしいのか、みんな照れながらも興味を持ってくれて、すぐに風船を膨らませたり、塗り絵を完成させて見せてくれたりしました。

カンボジア・ミャンマーとも、ジャパンハートの現地スタッフさんたちのおかげで、病院や養育施設などさまざまな場所を見学することができ、とても充実した滞在になりました。

特にこの情勢下のミャンマーで、ジャパンハート発祥の病院を訪問し、吉岡先生の活動を間近で見て、忘れられない経験となりました。

日本から応援で来ているドクター・ナース、事務局の方々など、たくさんの人たちが地元の人たちに寄り添い、決して快適とは言えない環境で朝から晩まで命を救う仕事をしているのを見ると、尊敬を超えた感情とともに、自分に何ができるのだろうと考えざるをえません。

手術スケジュールの合間に、ワッチェ病院近くのカフェにて

吉岡先生たちが目の前の命を1つずつ救っているように、私たちもできることからひとつずつ、たとえ微力であっても行動に移そうと思いました。

ジャパンハートの活動と支援に関して

ジャパンハートは、「医療の届かないところに医療を届ける」というミッションで、20年にわたって活動しています。また今後、命の格差を無くすためのアジアの高度医療拠点として、カンボジアに新しい病院の建設も予定しています。

活動を支援していただける法人・個人の方を募集していますので、詳細はこちらよりご覧ください。
https://www.japanheart.org/lp/

理事インタビュー動画

弊社代表西井はジャパンハートの理事を務めています。
西井は昨年11月にもカンボジアの病院を訪問しており、そのときのインタビュー動画がジャパンハートのYouTubeで公開されました。現地で感じた変化や、理事に就任した理由などを語っていますので、こちらもぜひご覧ください。

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