ホテルの未来がここに。
ロボット・顔認証・AI搭載、アリババの近未来型ホテル「Fly Zoo Hotel」宿泊レポート
社員コラム | 2019-07-02
アリババが運営する最先端ホテル「Fly Zoo Hotel」に弊社代表西井が6月に宿泊。その様子をレポートします。
昨年12月にシンクロ社員旅行で深センを訪問したときも、キャッシュレスが当たり前、もはや現金を使う機会がなかった様子を紹介しましたが、このアリババのホテルでもまだ日本ではできない、おもしろい体験をすることができました。
*『中国・深センへ視察旅行へ行ってきました』>>
「Fly Zoo Hotel」はアリババ本社近くの杭州に2018年12月にオープンした、ロボットや顔認証・AIなど最先端技術が搭載された近未来型ホテル。

外観は一見ふつうのホテル。新しくてきれいなビジネスホテルという様相です。
中へ入ると、広々としたロビーに、チェックイン用の機械が並んでいます。
一般的なホテルと大きく異なるのは、レセプションが無人であること。


事前に予約しておくと、パスポートの顔写真と、実際の顔を認証してチェックインができるようになっています。

そして驚くのがエレベーター。
乗り込むと自動で顔認証され、自分の部屋のある階にのみ止まる仕組みになっています。

まだオープンして半年ということで、念のためカードキーを渡されましたが、すべて顔認証で済むため、結局使う機会はありませんでした。
未来感ある廊下を抜けて部屋へ。

自分の部屋の前に着くと、ここでも顔認証でドアが開く仕組みになっています。
認証されると左上の光が青から緑に変わりました。

部屋の中へ入ります。できたばかりなので、とてもきれい。

部屋の中ももちろんAI対応で、スマートスピーカーが搭載されています。
電気やテレビのオン・オフやカーテンの開け閉めもスマートスピーカーに話しかけることで可能に。
・・・ただし、スマートスピーカーは中国語のみの対応。
部屋に入ると自動的にテレビがつくのですが、中国語で話さないと音量を変えたり、電源を切ることができません。
結局このときは、中国語が話せる同行者に音声を送ってもらい、それをスマートスピーカーに聞かせるという方法で対応しました。
しかし、最後までカーテンを閉めることができず、朝眩しくて目が覚めることに・・・(笑)
中国のAIは、外国人にはまだ少しハードルが高いようです。
ホテルでの体験はまだ続きます。
バーへ行くと、ロボットアームのようなマシーンがカクテルやコーヒーを作ってくれます。
QRコードで注文と決済を済ませると、ロボットが飲み物を作り始めました。

グラスを洗い、冷蔵庫から材料を取り出してシェイカーに入れると、まるでバーテンダーのようにシェイク!

人がやった方が早いのでは・・・と思う場面もあるものの、それもまたご愛敬。
また、ルームサービスで食事を頼むことも可能です。
部屋にあるモニターからQRコードを読み込んでメニューを選び、注文します。

注文してしばらくすると、ロボットが部屋を訪れました。

注文完了時にスマホにショートメールが届くので、そのパスワードを入力すると・・・

ロボットの扉が開いて、食べ物を取り出せる仕組み。

取り出しが完了すると、ロボットは自動でエレベーターに乗って、元いた場所へ戻っていきました。

これらホテル内における顧客の行動・消費活動はすべてアリババ(アリペイ)のIDに紐づいており、顧客データベースとして蓄積されます。
「オムニチャネル」は、オンラインとオフラインのチャネルを連携させて売上をアップさせる販売戦略ですが、これまでは、オンラインでの意思決定(ホテルの場合なら予約)のデータを取ることができても、オフラインでの体験(実際宿泊したときの顧客の行動)を知ることはなかなかできませんでした。
ですが、このアリババのホテルのような仕組みであれば、これまで可視化できなかったオフラインの顧客の体験をすべて把握することが可能になります。
そうするとデジタルマーケティングも新しい世界に変わっていくことでしょう。
実際に中国では支払い履歴などのデータが個人の信用力をはかる材料になり、その信頼度スコアによって、たとえばホテルのデポジットが不要になったり、空港で特別なラウンジが使えたりするなど、受けられるサービスなどが変わってくるそうです。
キャッシュレス・AI・顔認証・ロボットと、最先端技術を搭載したアリババのFly Zoo Hotel。
サービスのあり方やデジタルマーケティング戦略が確実に変わっていく“未来”を体験する貴重な機会となりました。
おまけ。
こちらはジムの様子です。

大画面のモニターとフロアに動画が映され、たとえ一人であっても、インストラクターと一緒にエクササイズやダンスができるようになっています。
キャッシュレス・顔認証・ロボットなどの最先端テクノロジーに触れ、デジタルマーケティングの未来を考える機会となりました。
今後も新しい&おもしろい体験をレポートしていきます。