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東証一部の食品メーカーに20年務めた私が、謎多きバックパッカー会社に転職したら

はじめまして。2021年12月シンクロに新しく仲間入りした原と申します。
前職は、東証一部で創業120年以上、2,000人以上の従業員がいる企業に、一度も転職を考えたことなく、新卒から20年在籍しておりました典型的なサラリーマンです。

そんな私が人生初の転職で非上場、創業7年、社員9人の、業界でも「何をしているのかよくわからない会社」とよく言われる謎多きデジタルマーケティング会社「シンクロ」に仲間入りした理由と、シンクロに入社して2か月が経って感じている事、シンクロの謎について個人的に解釈した点について、お伝えしたいと思います。

前職の楽しさとキャリアのズレ

まず前職のキャリアについて少しご説明させていただきます。就職活動時に、「食と健康」を中心にした事業領域に興味関心があり、食品メーカーのカゴメに入社しました。20年のキャリアは大きく3つに分けることができ、新規販路開拓の営業を11年、ダイレクト通販事業を7年、商品企画を2年経験しました。

キャリアの詳細は割愛しますが、ルート営業が主流の会社としては珍しい、自由に新しい売り先をつくる、飛び込み型の営業を長く経験したり、ダイレクト通販事業では、当時停滞していた事業から成長事業への変革について辛酸を舐めながら経験したり、その経験を業界で登壇する中で多くの方と出会いがあったり。

また、商品企画部門では店頭流通で100年続く業界TOPブランドを担当したり、直近2年は社長直轄の選抜型DXプロジェクトにも2案件携わったりと、多くの貴重な経験をしてきました。(通販時代には西井と何度か登壇する機会がありました。その時はシンクロに仲間入りするとは、夢にも思っていませんでした・・・)

西井とともに登壇したダイレクトアジェンダ(2017年)
SNSセミナー(中央左が西井、中央右が原)

こうして日々刺激的な経験でしたが、自身の歩んできたキャリアと、会社として主流のキャリアと大きくズレがあったのは、主力チャネルの業務経験が皆無であったことです。
前職における主流キャリアは、いわゆる量販(スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニ、百貨店)または、それに準じる営業サポート業務(営業推進部)などの経験がメインとなりますが、私のキャリアは先述のとおり、一度も経験しておりません。

完全に傍流キャリアを歩んでおりました。そして20年経ったタイミングで、紆余曲折あり、主力チャネルへの異動辞令がありました。(ここはサラリーマン人生の縮図的な内容で、オープンにしづらいため、詳細は個別にお問い合わせください…笑)

自身のキャリアとダイレクト通販

この時、一つの会社の中でゼネラリストとして生きていくのか、そうでない道を歩むのかを考える中で自身のこれまでのキャリアを振り返り、一番辛くも楽しかったこと、それはダイレクト通販時代でした。

自身の仮説施策が購入にどう寄与したのか、どんな方がどんな理由で購入し、リピートしているのか、行動分析を行い、ABテストを繰り返し、長く継続いただく商品、サービスを磨き続けていく、マーケティングの醍醐味をダイレクト通販の事業を通じて肌で感じた7年間が苦しくも一番楽しかったなと。時代はいわゆるD2Cに流れている中で、その領域に携わりたいという気持ちが明確になりました。(直近2年は、会社の副業制度を活用し、化粧品通販やクリーニングEC事業の立ち上げ支援など、自身の経験が他の業界でもある程度通用するかも、と感じていたのも決断のきっかけになりました)

このことが、自身ではっきりした時に、いろんな業界の方に相談しましたが、その一人が西井でした。ダイレクト業界に顔が広く、知見がある方から見て、勢いのあるD2C企業はどこか純粋に教えていただきたいなと。で、忙しく日本を飛び回っている西井に焼き鳥屋でそのことを相談し、出てきた答えは、、、「シンクロ」でした(笑)。

よく考えてみれば、西井自身がシンクロの社長をしていて、D2C領域に関わっている自社が一番というのは、客観的に見れば納得です。
ほかのシンクロメンバーにも具体的に話を聞く中で、非常に面白そうな会社だなと感じました。

カゴメ時代、「EC×デジマ談義」にも登壇

シンクロが面白そうだと思った点

シンクロが面白いと感じた点は、数多くあるのですが、まとめると4点です。

①事業主と支援を併せ持つ企業であること

デジタルマーケティング支援会社という側面だけでなく、自分たちで事業を運営している点。意外とそういう企業は少ないです。一つの業界に留まらず、デジタルマーケティングを軸に、色んな業界に携わることができるのは、自分の視野を広げる上で、大きなポイントだと感じました。

(シンクロの事業内容)

②「思考のサブスク」という新たな事業領域に取り組んでいること

シンクロが自社で事業を行っているひとつにInTripという瞑想アプリ事業があります。
*関連記事:シンクロが「禅」事業を行う新会社「InTrip」を設立、松谷が取締役CMOに就任しました

前職でモノを起点にした物販事業に20年携わってきた自身にとって、思考(コト)領域で、アプリを中心としたサブスク事業をしているのは、斬新で個人的に非常に興味が湧きました。
焼き鳥屋で西井が、「D2Cはこれから、物販だけでなく、サービス領域、コト領域に広がっていく」という話をしていたのが印象的でしたが、まさにそうだなと。

③デジタルマーケを研鑽できる環境

これから必須のスキルである領域にどっぷり業務として浸れる環境があり、西井はじめ専門集団のメンバーに気軽に相談し合える環境があること。
※兄弟会社のグロース Xが開発するマーケティング学習アプリ「コラーニング」も使って自己啓発できます。

④既存の延長線上ではなさそうな非連続感

冒頭に記載のとおり、前職とは対極の企業であり、既存の延長線上ではない、チャレンジングな環境であること。

この4点でシンクロに仲間入りすることを決めました。

実際に仲間入りして・・・

実際に「シンクロ」に入ってみての感想ですが、働き方も、働く人も相当面白いです。キリがないのですが8点ほどに分けてお伝え致します。

①入社歓迎会が釣り

入社早々、社員旅行で人生初の対馬に上陸、釣りとBBQが開催されました。事前にお伝えすると、私の趣味が釣りという訳では決してありません。西井はじめ、メンバーの方が最近釣りにハマっているからという理由です。
そして釣った魚と共に、社長の西井と記念写真。まな板の上の社長と新入社員状態。決して新入社員の恒例行事ではありませんが、私の次に入社したメンバーの歓迎会も、なぜか対馬で釣りでした。

恐ろしく釣れる対馬の漁場
まな板の上の社長と新入社員

②初出勤日の出来事

記念すべき出社1日目の社内オフィスの光景です。誰もいません。(この時、コロナのまん防は解除期間)
初日はたまたまと思いましたが、一週間経っても誰も出社してきません。テレカン上では存在しているので、社員1人ではないことに若干の安堵を持ちつつも、結局一週間、人の気配が全くないオフィスを新入社員ながら独占しました。

誰もいないが、雑然とした当時のオフィス

あまりに人の気配がなさ過ぎて、一週間目に子供をオフィスに連れていき、自宅のように使わせていただきました。
そして入社から1か月経つころ、西井はじめほかのメンバーから「オフィスなくてもいいよね」という話が出て、本当にオフィスがなくなりました。なるほど斬新です。いやはや、さすがBe a backpacker集団。

オフィスにて、「パソコンがたくさんある!」と喜ぶ娘

③打ち合わせメンバーの多様性

ある事業の打ち合わせの様子。

左から応用神経科学者、お坊さん、旅人、金髪、ユーチューバー、元食品メーカー(の私)。

入社20年で数千回を超える打ち合わせをしましたが、こんな多様性のある打ち合わせに参加したことはありません。お坊さんと、アプリのサブスクについて真剣にオンライン上で議論する日が来るとは、3か月前の食品メーカーにいる時には夢にも思いませんでした。
打ち合わせの度に、画面から溢れるバラエティ性のるつぼに、なぜか半笑いになる自分がいます。

④メンバーの個性

これまでいくつかの記事で挙げられているので詳細は割愛しますが、個性の強いメンバーに囲まれています。
唐辛子と塩と砂糖で世界を一周できる生命力の強い金髪の方。髭がやたら長い仙人のような方。自宅でトカゲを飼い、爬虫類をこよなく愛する方。銀行員から釣り師になった方、海外でユーチューバーをやっている方。詳細は各社員コラムをご参照ください。

出自、キャリア、業務はバラバラですが、専門家集団でバリバリの知見があり、それでいて皆さんめちゃくちゃ優しいです。そして43歳になって有難いことに誕生日をお祝いしていただきました。(ブレずにオンラインで。私だけオフィス・・・)

プレゼントに秋田の日本酒をいただきました

⑤肩書自由

誰が何を名乗ってもOKです。新しい会社を作れば社長もOK。さすが、自由と自律の会社。
肩書で仕事するわけではないという事に納得の日々です。自分はどんな肩書にしようか考え中です。この企業では、もはや課長とか部長とか語る必要性がありません。全員がフラットです。

⑥旅ノルマ

就業規則で唯一絶対なのは毎月旅をすることです。旅にだけ、やたら厳しいこの会社。(※念のために、シンクロは旅の会社ではありません)

そして、何ともありがたいことに、一人月額5万円を上限に旅の費用が支給されます。
机に向かっていても、新しい知恵、発想は浮かばない。世の中の変化を感じ、アイデアの引き出しを増やす。---という意味で旅をあえてノルマにしていると個人的に解釈していますが、社員のみんなに聞けば、「旅をしないのは罪」という理由でした。罪なのですね・・・

ここまで旅の優先順位が高いことに、もはや感服します。因みにシンクロの旅D2C事業の「HOLICC」で、海外を旅した国の数をMAPにし、旅レベルを測定できるツール(HOLICCジェネレーター)があるのですが、私は4か国でレベル8。こんな感じです。

ほぼ海外地図がほぼ真っ白。シンクロ的にいうと、誠に罪深い状況です

私のレベルをドラゴンボールで例えると、戦闘能力8。ラディッツに瞬殺されるゴミレベルのおっさんです。
このツール、シンクロ社員はWEB会議の時によく背景にしているのですが、恥ずかしさレベルMAXです。コロナが落ち着いたら海外を旅して視野を広げねば。これまで、いかに机の上で仕事をし続けていたのか、罪深さを懺悔します。

⑦シンクロ磁石現象

シンクロメンバーが旅をする場所で、まず間違いなく、似た空気感をもった方々と偶然に接触します。そしてその出会いをきっかけに新たな仕事が偶発的に生まれます。勝手ながら磁石現象と名付けていますが、離島でBBQしながら何故か新たな仕事の話が複数進みます。

⑧いつでも相談できる関係性

メンバーで旅をしながらでも、急に仕事のことを相談したいという内容でご飯食べながら、お風呂に入りながら、急遽ミーティングが始まります。
みんな真剣に柔らか頭で発想を練ります。いつでも旅をし、いつでも真剣に仕事をする。仕事と旅と生き方が境界線なく、ライフワークになっています。

社員旅行の帰り、突如空港で始まった作戦会議

原的シンクロの解釈

冒頭に記載しましたが、色んな方々から「何をやっているのかよく分からない企業」といわれるシンクロ。私も今までそう思っていました。確かに事業領域は、旅のD2C事業、瞑想アプリ、漁業ブルーツーリズム事業、コマーケ事業など多岐にわたりますので、ぱっと見、事業の統一性はないように感じます。

ただ、入社2か月ほど経って、シンクロという会社を個人的に解釈したのは、すべて世の中の深い困りごとに対して、デジタルマーケティングの知見を駆使して、自分たちが関われる範囲で、世の中を本気で良くしようとしていること。

これを勝手な解釈で公式にするとこんな感じかと。

社会課題 × デジタルマーケティング × 多様性 × 熱量 × 発想 = Be a backpacker.

社会課題に取り組む企業は決してシンクロだけではありませんし、社会課題の解決を標語にする大手企業は多くあります。ただし大手企業の場合、設備や人件費など固定費を多く抱える傾向にあるため、収益目標ハードルが上がります。そうなると社会課題はより大きなものでないと対価としての収益は生まれづらくなります。結果的に、世の中に社会課題は多く存在しますが、自社の利益合格基準で社会課題を選別する傾向が強くなります。

別にそれが悪いことでもありませんし、大手企業しか解決できない大きな社会課題に取り組むことは素晴らしいことです。ただ、本当に困っている小さな社会課題は目の前に数多く存在します。例えば国内離島の観光事業。人口減少、高齢化に加えてコロナで人の移動制約があり、今現在、非常に辛い経営状況が続いています。

この課題に対して、固定費の軽い集団で、最新のテクノロジーやデジタルマーケティングのノウハウを持つ多様性あるメンバーが熱量をもって、柔らか頭で考え、飛び込んでいく実行力が突出していれば、解決は可能です。

そして、先程記載した磁石現象です。シンクロは小さな社会課題をわざわざ見つけに旅している訳ではありませんが、よく訪れる離島は、「課題の先進地」と言われるとおり、悩みが深いです。

この深い悩みにシンクロだからこそ、解決できる課題は世の中に数多く存在している気がします。
実際に、離島でBBQをしていても、その離島に関わる方で、現状を変えたいマインドを持つ方から相談があったりして、新しい仕事が生まれます。

屋外ですが、ルイーダの酒場的な離島BBQの様子

小さな社会課題というのは、点で見ると小さいですが、その点は日本各地、世界各地に存在しているため、実は大きな社会課題に取り組んでいることに繋がります。

入社2か月経って、個人的に解釈したシンクロとは、社会課題解決に対する天然イノベーター集団として存在しているのだなと。規模ありきではなく、自分たちの周りでできる範囲で、真剣に世界をよりよくしていく集団。メンバー皆が同じ方向を見て、年齢、役職一切関係なく、よりよくするための議論を、ご飯を食べながら、風呂に入りながら、釣りをしながら、膝を突き合わせて、実行していく。そして旅を通じて、強みを磨いているのかなと。(ただ旅がしたいだけかもしれませんが・・・笑)

旅するイノベーター集団(富良野・美瑛への社員旅行にて)

この会社のエッセンスを大事にしながら、旅レベル8の罪深い私は、Be a backpackerの道を研鑽していきたいと思います。

最後に、当面の目標は、世界一周をしたシンクロ社員4人から子連れの家族でいきたい場所として、全員一致したパタゴニアにいつか家族で行ってみたいと思います。
(まずは世界旅レベル10になって、ドラゴンボールの初期ヤムチャくらいは、早く超えたい・・・)

プロフィール

原 浩晃

原 浩晃

就職活動時に食の領域と健康事業に興味を持ち、カゴメに新卒入社。新規販路開拓営業、ダイレクト通販事業、商品企画で計20年のキャリアを歩む。2020年より同社内の副業制度を活用し、化粧品通販会社2社の事業スケールアップの支援、及びクリーニングECの立ち上げ支援を行う。通販事業時代の失敗談をせきららに話す登壇が評判を呼び、2ヶ月に1回のペースで業界の登壇に誘われ、西井と出会う。
カゴメ内で営業へのキャリア異動を転機と考え、D2C業界に知見のある西井に、勢いのある面白いD2C企業を教えてもらおうと焼鳥屋で相談したところ、一串目が出て来る前に「それはうちだな」の一言で、仲間入りが決まる。
妻曰く、イラつくくらいに前向きなポジティブマインドを得意とする。
1978年生まれ、兵庫県出身。2002年大阪市立大学商学部卒。

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