フィリピン在住のkumiです。
フィリピンのマニラに住んで5年、ふだんからリモートでシンクロの仕事をしています。
ここフィリピンでは、都市封鎖が始まってからすでに二週間が経ちました。
その後、東南アジアやヨーロッパなど世界各国(都市)でも封鎖・隔離措置が取られ始めましたが、それより少し早くから都市封鎖を始めたフィリピンの今の様子をお伝えします。
コラム
フィリピン在住のkumiです。
フィリピンのマニラに住んで5年、ふだんからリモートでシンクロの仕事をしています。
ここフィリピンでは、都市封鎖が始まってからすでに二週間が経ちました。
その後、東南アジアやヨーロッパなど世界各国(都市)でも封鎖・隔離措置が取られ始めましたが、それより少し早くから都市封鎖を始めたフィリピンの今の様子をお伝えします。
●3/12「マニラ首都圏の封鎖」の発表(3/15から開始)
・学校が休校に
・感染国からの入国禁止
・モール・映画館の封鎖
・人の多く集まるイベントの禁止
●3/16からマニラ首都圏のみならず、ルソン全域(マニラのあるメインの島)に拡大され、enhanced community quarantine=「強化されたコミュニティ隔離措置」がスタート
※期限は4月13日までの予定(開始から1ヶ月間)
※その後セブ島のあるセブ州でもコミュニティ隔離が始まりました。
具体的には下記のような状況です。
【生活面】
・原則外出禁止、外出時は一家で1人のみ
・スーパーマーケット、コンビニ・ドラッグストアでの買物は可能
・レストラン・カフェ店内の飲食不可、食事のテイクアウト・デリバリーは一部の店で可能
・公共交通機関(MRT、乗り合いバス)、タクシー、Grabの営業禁止
・美容院・歯医者・マッサージ・スパ・ゴルフ場など閉店・休業
・ジョギング・運動・散歩の外出不可
・町を越えた移動は原則不可
・外国人の出国は可能だが、フライトの欠航多数
・現状、外国人のフィリピンへの入国不可
【企業の状況・対応】
・オフィスビル閉鎖、原則会社休業
・日系企業・工場も休業、一部稼働
・企業駐在員の一部は帰国、駐在員の家族はほぼ帰国
・事業者は従業員へ年末ボーナスを前倒しで支払う
一番気になるのはスーパーマーケットの様子ですが、肉・野菜を含めた食品、トイレットペーパーなどの日用品の品揃えは豊富です。
ですが、スーパーの営業時間が短縮され、また店内の人数を制限しているため、入店するのに並ぶ必要があります。
日本では3/28-29の週末に都内のスターバックスが閉店したそうですが、フィリピンでも、都市封鎖から最初に1ヶ月間の閉店を発表したのがスタバでした。
次にフィリピンで起こったのは、マクドナルドなどのファストフードやレストランでの店内飲食が不可になったこと。
(首都圏封鎖の発表当初はまだ可能でしたが、数日後に市から店内飲食禁止の通達があったそうです。)
飲食店での店内飲食禁止となりましたが、一部の店ではテイクアウト・デリバリーを行っています。
交通手段がないため、近隣のお店に歩いて食事を受け取りに行くか、FoodPanda・Grab foodなどのフードデリバリーサービスを使っています。
先日、政府から貧困層へ現金支給(5,000ペソ)という発表があり、また自治体によっては食料を配給するなどの措置が取られています。
※5,000ペソ=約1万円(貧困層の月収相当額)
封鎖から二週間経ち、必要なものは一応は手に入ることが分かり、国民はこの状況を概ね受け入れているようにも見えます。
フィリピンのような途上国の場合、政治のリーダーシップの強さもさることながら、医療体制が未熟なために、感染しても治療が受けられない人が多いという現状があります。
それゆえ、隔離・封鎖に関して、政府から急な決定がなされても、それに従う傾向にあるのだと思います。
最近起こって困ったのは、フェイクニュースの拡散でした。
「さらにロックダウンが厳しくなる」「スーパーも閉まる」「封鎖がさらに延期される」といったフェイクニュースが出回りました。
その影響か、先週は並ばずに入れたスーパーがこの週末は長蛇の列・・・(しかも気温35度の炎天下)。
間違った情報の拡散と、不安にかられた人の過剰な行動が何よりの悪だと思い知りました。
※都市封鎖は4/13までの約1ヶ月間の予定ですが、実際に延長される可能性もあると思います。
何か情報を得たら、発信元をきちんと確認してから人に共有することが必要です。
今後、日本(東京)でも都市封鎖が行われるかどうか分かりませんが、「感染可能性があることを避ける」だけでなく、「自分が保菌者かもしれない意識をもって行動する」ために、都市封鎖に備えた行動が必要になると思います。
【都市封鎖に備えてやっておくとよいこと】
・食料品・日用品・常備薬を日ごろから“適度”に備蓄しておく
(物流が止まることはまずないので、過剰に買う必要は無し)
・近所のスーパー・コンビニを複数知っておく
・新たな情報を得たとき、慌てずに落ち着いて対応する
(状況が変われば、また新しい情報が出たり、内容が変わることはよくあるので、過剰に反応しすぎない)
・正しい情報の入手手段を日頃から確保しておく
– 信頼できる友人、コミュニティ
– 即時性があるのはTwitter。真偽がまざるので注意は必要だが、情報源として有用
– 厚生労働省、市区町村などのサイトを見慣れておく(海外在住者は大使館・外務省のサイトも)
都市封鎖から二週間経ち、フィリピンの今後の感染者数の伸びが止まるのを祈りますが、残念ながら事態はそう簡単に収束しないかもしれません。
不安もありますが、
・日々落ち着いて行動をする
・信頼できる仲間と正しい情報交換をする
・そういうときだからこそ、立ち止まって未来のことを考える
・・・など、なるべく前向きに取り組んでいきたいと思います。
今後も都市封鎖されたフィリピンの状況をレポートしていきます。
※この記事は、2020/3/29現在の情報・状況に基づき書きました。
スーパーや町の様子は、私の住むマカティ(メトロマニラのビジネス中心地)のもので、自治体によってアルコールの販売禁止など、より厳しいルールが敷かれているところもあります。
さらに今後の政府・各省庁からの発表で、状況が変わる可能性があります。
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