“マーケティングと事業支援”を軸に、旅アイテムの開発・販売や宿泊施設のサポート、さらにはアーティストや国際医療NGOの活動支援までを手がける株式会社シンクロ。まさに「旅」のように自由自在に事業を渡り歩くシンクロは、どのように成り立っているのか?
このシリーズでは、シンクロメンバーに「旅」をテーマに話を聞き、それぞれの個性や会社の特徴について深掘りしていこうと思います。
Column
コラム
動じないその姿はまるで仙人!「“肌感覚”でつかむ自由とこだわり」/「旅と働く」シリーズvol.02 HOLICCチーフプロデューサー・齊藤
「旅と働く」は旅から始まる
—— 今日はよろしくお願いします。このインタビューでは、旅のお話を通して皆さんの個性を引き出していければと思っています。
齊藤 特に面白い話もないので、うまく引き出してもらえるとありがたいです。
…でも多分ないと思う。
——そんなことはないと思いますよ…。まずは簡単な自己紹介と今の業務内容や働き方について教えてください!
齊藤 2019年7月入社で、約1年間ほどマーケティングの支援をおこないました。
その後HOLICCブランド事業を立ち上げ、現在も商品開発、ECサイト運営、マーケティングなど、ブランド運営全般を担当しています。
基本的には自宅で仕事をしており、8歳と5歳の子どもがいるので家族に合わせた働き方をしています。例えば、仕事の合間に子どもの送迎をしたりという感じですね。
——ありがとうございます。家族に合わせて働き方を選べるのはとても良いですね!一方で2人のお子さんを見ながらお仕事をするというのも大変そうです。
齊藤 妻と協力してやっていますし、楽しんでいるので、大変と思ったことはあまりないですよ。
——そうなんですか?でも、例えば「子どもが熱を出して…」といった緊急の対応もあるかと思いますが…。
齊藤 小さいときはそういうこともありましたが、最近は子どもたちもあまり風邪をひかないんですよ。
——へぇ、そういうものですか…。
齊藤 両立する上での事情をあえていうなら、送迎の時間にミーティングを入れないようにしていることくらいですかね。
あとはシンクロメンバーの中で、自分だけがあまり旅へ行けていないくらい。
子どもが寝てから仕事をすることもありますが、それも別に大変じゃないですね。
——(…大変そうですが)なるほど。
「健康の秘訣は旅にあり?」齊藤一家の旅行記
——それでは早速、旅についてのお話を伺いたいと思います。さきほど「旅に行けてない」とおっしゃっていましたが、やはり旅は家族と行くことが多いですか?
齊藤 基本的には家族と旅をします。国内だと月一回程度ですが、海外だとなかなか…
——いや、月一回はけっこう行ってますね(笑)
齊藤 でも今年は国内すら全然行けてない。
(メモを確認しながら)青森、秋田、茨城、鎌倉、山梨、那須…。
山梨にはシンクロメンバーとも行きましたね。でもそれくらいで、全然行けてない。
——いや、けっこう行ってますね(笑)(2回目)
齊藤 いやー、去年も全然行けてないんですよね。
(再びメモを確認しながら)大阪、秩父、秦野、鎌倉に越生…。
あー、去年は海外が長かったから他はあまり行けていないのか。
ホーチミンで元旦を過ごした後は、7月8月でフィリピン、マレーシア、台湾…。
その前に糸魚川での家族ワーケーションに千葉のグランピング。
あとは沖縄に2回行きましたね。1回目はやんばるエリアで2回目は離島巡り。石垣島に波照間島と西表島、そのあとは…。
——ちょっと一旦止めていいですか(笑)今挙げていただいた旅は全て家族と行かれてるんですか?
齊藤 もちろんです。だからなかなか行けてないんですよ。
——もう10箇所近く出てますよ(笑) その中で思い出に残っている旅のエピソードはありますか?
齊藤 特別面白い話というわけではないですが、海外旅行の時にめちゃくちゃ頑張って安い航空券をゲットしたのは、家族旅行としてはレアなケースかもしれません。
——意外な切り口ですね(笑)
齊藤 日本からフィリピンのマニラに行って、そこからインドネシアのバリ島、さらにマレーシア経由で台湾に行って帰宅という旅をしたのですが、この計5本の飛行機代を一人7万円代まで抑えたんですよ。
——想像以上に安いですね。すごい。
齊藤 そう。こういうライフハックは得意ですね。ただ子どもがいる中でやるのは結構大変で、ちょっと妻から非難を受けました(笑)
——そこ具体的に聞いても?(笑)
齊藤 安い航空券を選ぶとどうしても深夜発の便になり、子どもはもう寝ている時間なんですよね。なので寝ている子どもを抱っこしながらひたすら移動しなければいけなくて、これが結構大変でした。「ここまでしなくても良かったかも」って思っていました(笑)
——(笑)他にも家族旅ならではの苦労はありますか?例えば海外だと食事面とか大変な印象がありますが…。
齊藤 海外だからどうこうではなく、単純に子どもは好き嫌いが多いのでどこでも一緒です。どの国でも食べられるものは絶対あります。
例えばタイに行って、ナンプラーが嫌いだからタイ料理全てが食べられないわけではなく、入っていないものを食べればいいだけです。
特に長男は白米が好きなのですが、メニュー表に書いてなくても、聞けば絶対出してくれるんですよ。だから大丈夫。
次男の方は何でもチャレンジするタイプで、この前もヤギ刺し食べていましたね。
——ヤギ刺し?まだ5歳ですよね?
齊藤 そのときは4歳でしたね。シンクロメンバーで行った石垣島の居酒屋で出てきて、チャレンジしてました。
——お子さんが風邪をひかない理由が分かってきた気がします(笑)
こだわり抜いた先にある「旅と働く」
——齊藤さんといえば、モンゴルでの強烈な合宿記事が印象に残っています。(「入社して社員合宿に参加したら、行先がモンゴルだった上に色々おかしかった話」https://thinqlo.co.jp/column/2367/)
この記事からも感じますが、なんとなく齊藤さんにはストイックな印象がありますね。
齊藤 いや、そんなことないと思いますよ。
——でも例えば、さきほどの航空券の話も「家族で楽しく旅行をするためのストイックさ」と言えませんか?
齊藤 ストイックと言うと格好いいけど、ただケチなだけですよ。
植嶋 でもヒデさん(齊藤さん)に対してストイックな印象はありますよ。
齊藤 どういうところですか?
植嶋 何事にも淡々としていて、物事を曖昧にせず、基準をわかりやすく示してくれるんですよね。たまに「厳しい!」と感じることもあるけど(笑)
齊藤 なるほど。確かに、旅の荷物を少なくすることについてはストイックかもしれません。
植嶋 そういう何気ない細かい部分や、他の人が考え切れないところまでこだわりがある印象です。
それがHOLICCのアイテム作りにもしっかり反映されていると思います。
齊藤 確かに。HOLICCのアイテムは実際に自分が旅をしながら使い込んでブラッシュアップしたものだけを販売しているので、そのこだわりは反映されていますね。
——まさに「旅と働く」ですね!
齊藤 はい。あと旅をしながらの僕ならではの仕事でいうと、沖縄で転々と二週間の旅をしながら、宿泊先に商品のサンプルを送ってもらってチェックをするということもしました。
ただ沖縄のさらに離島だったので「何日で届くか保証できない」と言われてそこは大変でしたね。
それでもなんとか無事に作業はできました。そういう意味でも、場所にとらわれることなく働いているのかなと思います。
——しかも家族もいらっしゃるのですよね?旅先で家族との時間と仕事を両立するのは大変ではないですか?
齊藤 妻の協力があるのも大きいですが、「仕事の種類と自分の時間のコントロール」ができれば問題ないです。
仕事は日中でやらなくても子どもが寝ている朝と夜にやればいいし、どうしても日中で仕事をする必要がある時は「この時間はカフェで仕事するから」と事前に家族にお願いすれば良い。
あとはスマホでできる仕事は移動しながらでもできるので、その日の予定次第で、移動があればスマホ仕事はそこで。
PC作業が必要であれば、その時間を事前に調整しておく。こんな感じで配分していけば問題なくできますよ。
——逆にそうやって綿密に計画を立てられるからこそ、自由な働き方が可能なのですね。
齊藤 そうですね。そうすることで働く時間も休む時間も自分で決められるので。
それを相手に合わせたり、仕事の内容に合わせたり、旅行の移動に合わせたりといった感じでアレンジしているだけです。
旅は人を育てて、人は仕事を作る
——HOLICCのミッションの中に「旅は人を育てて、人は仕事を創る」というメッセージがあるのですが、齊藤さん自身が旅によって成長したと思うことはありますか?
齊藤 旅をすればするほど「いろんな場所や人、環境がある」という事実が「肌感覚」で染み込んでくるというのはありますね。
だから何かを考える時にこの「肌感覚」を前提にすることができます。
例えば「当たり前だと思ってるものが当たり前じゃない」は、ありふれた言葉ですが、肌感覚で無意識に感じられていることが大事だと思っています。
——なるほど。その中で家族と旅をしている齊藤さんは、その感覚を子どもにも感じてほしいと思いますか?
齊藤 そういうのはあります。
あとは「どこかに行く」ことに、ハードルを感じてほしくないとも思います。海外にも気軽に行ってほしい。
例えば、日本の「当たり前」に対して疑問を持つことも、旅に行く習慣があればその都度問い続けられる気がして、そういう感覚でいてほしいなと思います。
正直、子どもの頃に行った場所なんて忘れてしまうと思う。でも、五感や「肌感覚」で「世界にはいろんなものがあるんだ!」と感じたことは残ってくれているといいなと期待しています。
——きっと感じてくれていますよね。お子さんが羨ましい!
最後まで冷静で、淡々と話してくれた齊藤さん。
…と思えば趣味の「メダカビオトープ」について「旅行に行きやすいペットランキングトップクラスです!」、「たとえメダカ相手でも常にPDCAを回して試行錯誤します!」という茶目っ気ある返答をくれ、底の知れない魅力の持ち主でした。
さて次のメンバーからはどんな個性が垣間見れるのか。次回も楽しみにしています。
(writer:越野和馬)
【プロフィール】
HOLICCチーフプロデューサー 齊藤 英之
2006年、新卒にて朝日広告社入社。マス広告を中心とした雑誌創刊キャンペーンや、出版業界へのWEB広告導入を手掛ける。
2012年、Fringe81(現Unipos)入社。運用型広告のコンサル営業の後、事業部長に就任。マザーズ上場後、新規事業責任者としてアドテクソリューションの企画や事業提携を推進。
2019年7月シンクロ入社。スタートアップ~大手起業のマーケティング支援を行う。
2020年5月からD2C事業「HOLICC」を立ち上げ、責任者として新規集客やCRM等のマーケティング全般に加え、商品企画、生産管理、SCM、ShopifyによるECサイト構築、など全領域を担当し、黒字化を実現。
1984年東京都生まれ。明治大学商学部マーケティングコース卒業。
「旅と働く」シリーズ
vol.01 “旅ノルマ”で毎月旅へ。“好奇心と人”でどこまでも行ける(植嶋)
https://thinqlo.co.jp/column/13548/
vol.02 動じないその姿はまるで仙人!“肌感覚”でつかむ自由とこだわり(齊藤)
https://thinqlo.co.jp/column/13674/
vol.03 “楽しい”ことへの飽くなき探究者(松谷)
https://thinqlo.co.jp/column/13724/
vol.04 彼はサハラ砂漠で旅人になった(原)
https://thinqlo.co.jp/column/13766/
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