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入社して社員合宿に参加したら、行先がモンゴルだった上に色々おかしかった話

2019年7月からシンクロに入社した齊藤です。

入社直後の8月、社員合宿があるということでシンクロのことを知る良い機会だと思い参加してきました。
しかし、想像していた「社員合宿」とはかなり違っていて、普通じゃないことが多すぎました。

どのような合宿だったか、何がおかしかったかをまとめます。

その1.合宿の場所がモンゴル

そもそもモンゴルで社員合宿というのはあんまり聞いたことがない…。

以前のシンクロ合宿は関東近郊でやっていたらしいが今回は、モンゴル。

海外だとしてもシリコンバレーとか深センとかでもなく、モンゴル。

とはいえさすが“Be a backpacker.”をモットーにしている会社なだけあると思って言われるがまま航空券を購入。

今思えばこれはおかしなことの序の口に過ぎなかった。

 

その2.馬で移動、夜は野営

旅程のメモが来たので見てみると何やらハードな匂いが。
首都ウランバートルから車で50km離れたキャンプへ行き、その先はひたすら馬で移動するとのこと…。
桃源郷と呼ばれる湖まで何日もかけて行くのだ。

乗馬経験などない私としては、行ってみて馬に乗れなかったら即終了という旅程がまず不安。そして何よりそんな人里離れた場所で落馬でケガなどしたら置いて行かれてしまうのではないか…恐ろしい。

夜もテントを張って「野営」とのこと。
「モンゴル=ゲル」というイメージがあったのだが、野営なのかと…。

もちろんシャワーなどないし、トイレは大自然の中で(!)

もはや漫画・キングダムの行軍のようだ。。。あれ、紀元前の話だぞ。

 

その3.準備の連絡がおかしい

今回の旅はモンゴル出身のエンジニアであるダンバさんという方がアレンジをしてくれた。
出発に向けて準備すべき荷物もリスト化して共有してくれたのだが、見慣れないアイテムが散見される。

・衛星電話
もうこれは完全に電波届かない日が続くってこと。
強制的なデジタルデトックスというやつか。

・乗馬ブーツ
確かに馬でずっと移動するから大事。
ダンバさんがリンクを送って来てくれたアマゾン内の商品が評価も高く何よりモンゴルを知るダンバさんのおすすめだからと買った。しかし、買った後に改めてみてみると乗馬「風」ブーツと書いてあるし、高評価されているのはコスプレ用としてだった…。

数日後…届いた乗馬「風」ブーツはやたらとヒールが高く、足裏平らですべすべで薄い。超不安に陥る。
(ちなみにダンバさんはモンゴル行ってから現地の市場で本物の乗馬ブーツを購入していた。おーいw)

最終的にかかとがおかしな方向に行った乗馬風ブーツ

・ふえ
馬ではぐれたときに吹くためとのこと。
ちなみに一度も使う機会はなかった。
なぜなら、もしはぐれそうになったら大きな声で「おーい!」と叫ぶルールになったからw

・ウォッカ
ダンバ「寒いから寝る前に飲んで体を温めるんだ」
→なるほど、寒い地域ならではの風習というやつか
ダンバ「あと馬でお尻痛くなるから飲むんだ」
→ん?逆にヒリヒリしてきて痛くなるのでは?わからなくなるほど飲むってこと…?

・熊よけの鈴
なるほど、まあ国内の登山とかでもね。

・毒ヘビさされ用救急セット
ほぅ…

・串焼き用2頭(現地調達)
何が2頭なのかは書かれていなかった。

 

その4.出発地点が遠すぎる

モンゴルに到着し、まずは首都ウランバートルから車でキャンプ地へ。

ちなみにここでいうキャンプ地は野営する場所ではなく、ゲルキャンプ施設。モンゴル旅行に行った人がよくツアーとかで来る場所です。
そのキャンプ地に近づくにつれ道はどんどんデコボコに。

車酔いしやすい私はなんとか胃酸を飲み込み到着!
さあここから馬だー!と思っていたら、さらに軍用車に乗り換えるとのこと。
ほんとに行軍じゃねえか。

そしてここまでの道のりとどっちがデコボコなのか聞くと「レベルが違う」と。。

馬乗る前に戦死してしまう!

そして旅のアテンドをしてくれる遊牧民ガイドの人たちの運転で発進。

車の天井に頭がぶつかるレベルの激しい上下動、走行中にも関わらず衝撃で開く後部座席ドア。
激しい、激しすぎる、、、

舗装された道は1秒も走らない

さらに川に突っ込み渡っていく・・・。
え、車って川渡る乗り物なんだっけ。車内に普通に浸水してるけど…。

と、とにかくやりたい放題な感じでした。

他の車が川の手前で止まっている中、躊躇なしに突入

ちなみに二台に分かれて目的地まで向かっていたのですが、明らかに遊牧民ドライバー同士が競争している様子。
40年近く乗り回された旧ソ連製軍用車を激しく酷使し、50kmの道のりを先に到着するべくアクセル全開。

遊牧民の血が騒ぐのか。恐ろしすぎる。
(なお、私は幸運にも強力な酔い止め薬を人からもらうことができ、なんとか事なきを得ました。)

 

その5.全然草原走らない

そうしてたどり着いたスタート地点。
モンゴル3日目にしてようやく共に旅をする馬と出会うことができた!

ついにここから草原を颯爽と走るのだ!と思っていたが、最初は雨でドロドロになった沼地スタート。
そこをクリアするとゴツゴツした岩山、さらに針葉樹の茂み…

いつまでたっても草原が出てこない。

道と言えるかも怪しい。というか確実に言えない

大草原を駆け抜けるイメージとは裏腹に細い道がほとんどだった。(もちろん舗装されている道ではない)

想像してほしい。
山の中の細い下り坂を馬と駆け降りる。前方に丸太のような倒れた木がひっかかって空中に横たわっている。馬にはぶつからないが自分だけ当たる高さ…下り坂でスピードも速い…手で払える太さではない!…直撃して落馬する!
瞬間、半身になりながら頭を下げる。木が頭をかすめる音とともになんとかクリア…。

・・・こんな感じ。思ってたんと違う!
ひたすら悪路を行く旅だった。

通算30時間くらい馬に乗ったが、草原を走ったのは10秒くらいw

 

こちらは沼地を馬で移動する様子(※携帯で撮影したため、画面が小さいです)

その6. 川が増水して渡れなくなった

増水し流れも早くなった川

ダンバ「この川は素人には渡れない」
私たち「??!!」

なんと馬で渡る予定だった川が、連日の雨で増水して流れも速くなっているとのこと。

いやいや、ここまできて川が渡れなくて先に進めないという、冒険物映画でしか見たことのないトラブル。

水位が下がることを願って今日のところはここで寝ましょうという判断。そして翌日。

ダンバ「ミスると死ぬ可能性があります」
私たち「??!!」

死ぬ可能性がそこそこある社員合宿ってどういう状況?となりつつ、さすがに無理をするわけにもいかないので、もう一日同じ場所で水位が下がるのを待つことに。
確かに水温も5度くらいしかないので落ちて筋肉硬直して流されたらかなり危うい。

これまでメールの返信とか部下からの報告とか色々なものを待ってきましたが、「水位が下がる」のを待つのは人生はじめて。

ちなみに自分たち以外生き物もいないし、電波もない場所なので、1日待つといってもやることが本当に何もなかったです。

そして翌日。

水位が下がった川。手前でキャンプ張っている

ダンバ「僕はラッキーなんです」
私たち「!!!!」

ということでなんとか旅は続くことになった。

 

ダンバ「でも最悪馬から落ちる可能性があるので、泳ぎやすい格好で乗りましょう」

通常モンゴルは夏でも冷え込むこともあるため乗馬中も3枚ほど着込んでいたが、川を渡るのに備えTシャツ、パンツ、靴下くらいになった。(遊牧民メンバーは落ちない前提なのか服装変わらず)

そして、いよいよ馬に乗ろうとしたところ、ダンバさんが「私だけに」こう言った。

ダンバ「その服、水を含みやすそうだから脱いで」
わたし「…え?」
ダンバ「あと、靴下も脱ぎましょう。遊牧民のボスが言ってる」
わたし(…!)

結果、パンイチ姿に・・・。なぜ自分だけ!

遊牧ガイドに紐を繋がれ川を渡る様子(※動画から取ったため画像が粗いです)

どこかに連れていかれてそう。完全に捕らわれの身。。。
入社して1か月半。まさかモンゴルの馬上でひとり裸になっているとは!

 

 

列をなして川を渡る映像はこちら。

その7.会議の結果

毎日欠かさずキャンプファイヤー

こんな過酷な旅のどこが社員合宿なのだろうかと思い始めた4日目の夜、キャンプファイヤーを囲みながら会議が始まった。

議題は「今後の会社の評価制度について。」
ふぅ、ようやく合宿っぽくなってきたぞ。…と思ったのも束の間。

 

「ルールとかなしで!西井さん(社長)、好きに評価してください!」という着地。

モンゴル合宿の議事録はこの一行のみである。

 

その8.社員がおかしい

アテンドしてくれたダンバさんを含めてシンクロメンバーは6人(西井さん、一慶さん、耕太郎さん、マリオ、ダンバさん、齊藤というメンバー)。

入社したばかりだったのでメンバーのことを知るのも旅の目的の1つだったが、だいぶ癖の強いメンバーだということがわかった。西井さんは旅の本も出しているし知られている面も多いのでここでは他のメンバーについて。

マリオ
釣った魚をナイフでさばく手際の良さにより、遊牧ガイドのボスから一目置かれるマリオ。

翌朝、私の目が覚め寝袋の中から宙空を見ると、視界に何やら寝るときにはテントの中にはなかった影が。
なんだろうと目をこすると・・・魚の開きが干してある!?

釣ってきた魚を開いて雨に濡れないようにいつの間にかテントの中に設置したらしい。ビビるだろ!
魚への愛が半端ないマリオなのだった。

寝起きでは見慣れぬ光景

・耕太郎さん(現・グロースX社長)
寒さでキャンプファイヤーにみんなが寄り添う中、ウォッカを飲んだくって泥酔し、その辺の大地で寝始めた。(そのままだと凍死するよ?w)

気づいたメンバーが起こしてテントに連れて行くと今度は寝袋に入らず寝ている・・・。

昼寝する耕太郎さん

その日、3人用テントに耕太郎さん、齊藤、一慶さんの並びで寝ていた。
深夜、突如体が重く感じる。足が動かない。身体も起こせない。息も苦しい…金縛り?と思いきや、隣の耕太郎さんが寝袋に入ったまま自分の上に乗っかってきている(!)
もはや夜這いw

その後も朝まで耕太郎さんの横からのプレッシャーが続き、朝5時くらいに目が覚めると3人用テントの半分のスペースで男3人が寝ていた。

とにかく酔うとどこでも寝てやたらと寝相が悪い!(そして本人は記憶がない!)

 

一慶さん
モンゴル旅で通算100か国目を迎えた一慶さん。
そのモンゴル行きの飛行機に乗っているときに事件発生。気流に飲まれて激しく機体が揺れ、下からドンと突き上げる衝撃とともに全員のテーブルから機内食の肉やら皿やらビールが飛び交い、通路にはそれらが散乱。

プチ事件の図

おそらくキャビンアテンダントの方も含めて死の危機を感じ肝を冷やしたのではないだろうか。

唯一この男を除いては。

到着後、まじでヤバかったねとこの話をしていると一慶さんは

「アベンジャーズ見ていて戦いのシーンで座席が下からドンと突き上げられて最高に迫力あった」

と興奮気味に言ってきた。

…ポジティブか!

 

旅の途中でも、遊牧ガイドたちが釣竿につけていた仕掛けがネズミに見え、本物か否かシンクロメンバーがソワソワしているときに、おもむろに手でぎゅっとつかんで確かめたり。
多くの国を周る間に、恐怖心というネジをどこかに置き忘れてきてしまったようだ。

 

ダンバさん
朝、まだ気温10度くらいな中、テントから必ずTシャツ+パンツだけの姿で出てきてそれで過ごす。
健康に良いとのこと。いや、むしろそれによって風邪ひくのでは?

さらにダンバさんは釣りに完全にハマって川でも竿を投げ続けていた。
なぜか半ケツで・・・。

釣りに魅了された男(半ケツ)

これはもう昼なので健康法とかではない。半ケツで釣りをしている理由を聞いてみたところ…

「憧れているからです!」

全然意味わからん!
(ちなみにダンバさんは日本語ペラペラです)

湖に到着した夜、釣りにハマったダンバさんがこんなことを言い始めた。
「23時になると湖で巨大魚が動き出すってガイドのボスが言っているから釣りにいこう」

あれ?遊牧ガイドは細かい時間の概念は持たず、「午前」「午後」くらいだけってこの前自分で言っていたような…。

「23時」云々は完全にダンバさんが釣りに行きた過ぎて捏造したようだw

その9.幻の桃源郷

ウランバートルから車で50km、そこから沼や川を軍用車で50km、さらに山道や細い茂み・川などを馬で50km。キャンプで凍え、川で捕らわれの身になりながらもひたすらに桃源郷を目指した。

そうしてようやくたどり着いた湖。このハードな道のりを歩んできた我々のみが見ることのできる場所、のはずだった。

湖畔まで行ってみると湖の向こう岸にいくつかゲルの姿が・・・

対岸に見えるゲルの姿

どうやら、いつの間にか開拓されてしまっていたらしい。。
しかも湖の逆側から巨大なオフロード車でそのリゾートまでたどり着いているようだ。

自分たちだけしか見れない景色と思って来たのに!捕らわれの身になってでも川を渡ったのに!
しかも車で来たのかよ!文明かよ!!

以上、色々ツッコミどころの多い社員合宿の思い出でした。

他にも自分以外全員オムツ履いて馬に乗っていたとか、ガイドのボスはライフル持参していたとか色々突っ込みどころはあるのですが、止めておきます。

でも、結論、モンゴル旅は最高でした!

湖の前での集合写真

思っていた旅程とはだいぶ違っていたのですが、事前に分からなかったことでワクワク感がたまらなかったです。これぞ旅。普通旅行って旅程知っちゃってますもんね。

乗馬も楽しかったです。
ずっと同じ馬に乗って往復100km以上の道のりを共に歩み、徐々に馬と以心伝心になっていく感じ。
最後は急な山道も手放しで乗れる状態までいき、馬の疲労度も歩くフォームの変化も感じ取れるようになりました。

それから電気も電波もない、桁違いの大自然の中でのサバイバル。
自然とは何か、人間とは何か、生きるとは何かを考えさせられました。

そして当たり前なことが当たり前じゃないということも切に感じました。

軍用車でゲルキャンプに戻ってきたときにシャワーがあるありがたみと言ったら。
翌日ウランバートルでシャワーを浴びた時、二日連続でシャワー浴びるなんて許されていいのかと変な気持ちになりました。

寒さに凍えずに寝られることもそうだし、気分で何でも選んで食べられる環境もそう。家族の顔を毎日見れることも有難い事だなと。

遊牧ガイドのみんなが普段していることを体験させてくれ、それをダンバさんが繋ぎサポートしてくれ、シンクロメンバーがその時間を一緒に味わってくれ、みんなに本当に感謝です。

もちろん、その時間を与えてくれた日本での環境や家族にも。

非日常で得た感覚と感謝を胸に、また日常を歩いていきます。

おかしなところばかりのシンクロと共に。

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