僕らが今するべき旅は、InTripだと思う。

社員コラム | 2020-10-13

シンクロの松谷です。

こちらのリリースの通り、禅・瞑想を世界に広める会社「InTrip」を立ち上げ、取締役CMOに就任しました。
シンクロが「禅」事業を行う新会社「InTrip」を設立>>

新しいチャレンジということで、今の想いをリリース文の中に入れる予定だったのですが、いざ書き始めるとどうにも収まりきらない分量になったのでこちらに書かせていただきます。

「まだ知らない世界を見てみたい。」

そんな理由で、前職の製薬会社を辞めて、世界一周に出発したのが2013年。

キリマンジャロやエベレストに登ったのも、中米をバイクで旅したのも、強盗にあって荷物を全て盗られた後も旅を続けたのも、その先にしかない世界にたどり着きたかったから。

見たことのない景色、食べたことのないもの、出会ったことのない人、そういった刺激が世界にはあふれていて、3年間82か国、それがすごく楽しかった。

帰国後はイースター島で出会った西井さんとの再会もありシンクロに入社。デジタルマーケティングの世界に飛び込むことになる。

旅が終わった、というより、舞台が変わった、というような気持ちだった。

そして、コロナによる生活の変化を余儀なくされていたこの春、成瀬勇輝さんから相談を受ける。

京都にある建仁寺両足院の伊藤東凌さんと一緒に作った「InTrip」という禅・瞑想アプリのマーケティングをお願いしたい、という話だった。

「禅とは、日々の気づきを高めることなんです。」

と、伊藤東凌さんは話す。

世界との境界線は実はあいまいで、その余白に人の可能性は眠っている。そこに向き合う時間を作り、小さな気づきの積み重ねで未来の可能性を広げていく行為が、禅ということらしい。

世界にはあまりに多くの情報が溢れていて、知らず知らずのうちに僕らは気づくことを放棄している。

花の蕾が昨日より大きくなっていること、雨上がりの匂いが秋に近づいたこと、夕日が映し出すビルの影がゆっくりと伸びていくこと。

綺麗なのは満月だけじゃないし、金木犀じゃない花も香る。誰かに伝えるほどでもない変化が、常に僕らの目の前で起こっている。

東凌さんの話を聞いて、もしかすると世界一周で追いかけていた「まだ知らない世界」への扉は、そういうところに隠れているのかもしれないと思った。

「まだ秘境は残っている。」

と、「旅する哲学/アダン・ド・ボトン」のあとがきに書くのは、翻訳者の安引宏さん。「それこそ、わたしたちの感受性だ。」とそこに続く。

旅の途中、見たことのない景色やはじめての経験といつもセットであったのは、これまで知らなかった自分の感情の波や心の鼓動で。

あるとき、旅が好きなのはこの心が動く瞬間が好きだからだと気付いた。

はじめての経験によって自分が何を感じるのか、それを辿ることで、徐々に自分が浮かび上がってくるような面白さを感じたのた。

刺激的な体験は、脳内を大きな音で駆け巡り、迫力のあるその振動に心はわかりやすく震える。

インドのガンジス川、スペインの巡礼路、アマゾン川でみた夕日、パタゴニアのトレッキング、バーニングマンの最終日。

心が大きく動けば動くほど存在がはっきりと感じられる気がして、だからもっと遠くへと行きたいとずっと思っていた。

でも今になって、ほんとうに必要なのは絶景や特別な体験ではなかったのかもしれないと気づく。

なんでもないような時に動く心を感受性によって拾い上げることこそが、自分にしかない輪郭を知る一番の方法なのではないかと思うのだ。

世界一周にでて本当によかったと思った瞬間がある。

出発から2年くらいたった、ロサンゼルスの空港でのこと。空港のベンチで思い通りにいかない旅に頭を悩ませていたとき、突然アメリカ人のおばあちゃんに道を聞かれた。

調べるとそんなに遠くなく、一緒に話しながら向かう道中、いろいろな話をした。旅中ということもあり話題には事欠かなくて、あっという間に目的地にたどり着いた。

別れ際に、ふと気になって、明らかに旅行者の僕にどうして道を訪ねたのかを尋ねてみた。

「元気がなさそうだったから、話しかけてみたのよ。」

おばあちゃんは優しく答える。思いがけない言葉に、胸がぐんと熱くなるのを感じた。

でも本当に道もわからなかったのよと、くしゃっと笑って、ありがとね助かったわ、と抱きしめられた時、この出会いだけでもこの旅を続けてきた価値があるのかもしれないと思った。

目の前に世界がある。景色があって、人がいて、感情がある。

それら一つ一つに気づいて、そこにある物語をはじめることができるのは僕らだけなのだ。

「まだ知らない世界」への扉は、どこか遠くではなく、今この場所にある。

目の前にある変化がつくる心の振動に耳を傾ける、それは時に誰かの世界をも彩る。

そのための時間を作るのが禅だとするなら、僕はこの可能性を広めたい。

「まだ知らない世界を見てみたい。」

はじめる理由は、世界一周に出た時と同じ。禅・瞑想を世界に広める会社「InTrip」を立ち上げます。

「まだ知らない世界」に向かう扉は目の前にある。いまここから、内面旅行へ。

きっとこの先に、優しくて楽しい未来がある。

新しい舞台の幕が上がる。

今度は世界を楽しませたい。

(シンクロ 松谷)

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