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サンスター株式会社様

vol.3
売りたい気持ちを買いたい気持ちに翻訳する。
それこそがマーケティングの本質
おなじみのオーラルケア分野だけではなく、ヘルス&ビューティー分野でもヒット商品を世に送り出してきたサンスター株式会社。そんなヘルス&ビューティー商品もEC拡大に苦戦し、西井に状況打開が託されました。西井をプロジェクトに招き入れた営業統括部長の仮屋光広さん、現場で共に業務を遂行する兒嶋仁視さんと共にかつての課題やその後の変化を振り返ります。
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仮屋光広様 / サンスター株式会社 ヘルス&ビューティーカンパニー 日本ブロック営業統括部長

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1994年に入社後、主にヘルス&ビューティー分野のマーケティングを担当。2008年からダイレクト営業部で企画系業務の責任者、2013年からダイレクト営業部の責任者、2015年から営業統括部長としてヘルス&ビューティー分野の営業の責任者を務める。

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兒嶋仁視様 / サンスター株式会社 ヘルス&ビューティーカンパニー 日本ブロック ダイレクト営業部 企画・フルフィルメントグループ

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2013年に入社後、ヘルス&ビューティー分野の企画・フルフィルメントグループに所属し、システムや物流を担当。後にECサイトの業務に移り、現在はリーダーとしてデジタル施策全体を統括。全体のKPI設定、広告の運用、サイトのUI・UX改善やCRM施策を取りまとめる。

西井:前回まで課題と取り組み、そして変化を振り返って来ましたが、マーケティングの第一線で活躍して来られた仮屋さんと、マーケターとして伸び盛りの兒嶋さんがせっかくいらっしゃるので、今回はマーケティング談義をしましょう。
仮屋:マーケティングと言えば、アドテックで西井さんと高島さん*がおっしゃっていた「売りたい気持ちが出すぎると、お客さまの買いたい気持ちをなくしてしまう」「企業の売りたい気持ちをお客さまの買いたい気持ちに翻訳していくことがマーケティング」って、まさに至言ですよね。
*西井がCMOを勤めているオイシックスドット大地株式会社の代表取締役社長
西井:簡単にできることではないけど、本質だと思います。
仮屋:例えば我々も反省したのがプッシュ型のマーケティングで、分かりやすいところだと、服屋で店員が近づいてくると逃げたくなる心理ってあるじゃないですか。あれって要はプッシュ型で、プッシュ型って一時的に数字は上がるんですけど、でもそれは企業の看板をちょっとずつ汚しながらなんですよね。10年後、20年後の価値をちょっとずつ下げるのと引き替えに数字が上がってる。
西井:ブランド価値向上ってマーケティングの主目的の一つだし、サンスターさんのような看板のある企業だと特に問題ですね。
仮屋:教科書的な話になってしまうけど、やっぱりプル型のマーケティングに粘り強く取り組んで、お客さまの買いたい気持ちを高めていくことが大事。お客さんに喜んでもらうことと、サンスターってブランドの価値を上げること、この両立を目指すべきなんですよね。
西井:ECサイトのLTVが上がったのは、そういう考えが浸透しつつある証しですよね。あとこれも買いたい気持ちに関することですけど、私が来た当初、キャッチコピーをはじめ、全体的に広告のコミュニケーションがお客さま目線じゃないと感じたんですよね。自分がお客さんだったらだまされてる感があるというか。現場でいくつか指摘しましたよね?
兒嶋:そうですね、当時はお客さまからもクレームをいただいてました。その後改善して、今クレームはゼロですね。
仮屋:10年以上も前の話ですが、テレマーケティングの現場を見学したら、もうね耳をふさぎたくなるくらい。もちろん我々がお願いしているんですよ、売って欲しいって。でも、お客さんが電話を切りたそうにしていても、オペレーターの方は必死に食い下がって、ドアに足をはさんでるような状態。これは企業の価値を下げるし、詰まるところ我々の求める世界じゃないと感じて、今テレマーケティングは御用聞きにとどめています。
西井:今は買いたくなって買ってくれている人が増えていると感じていて、だからお付き合いが長続きしてLTVも上がってますよね。でもまた売らんかなで来られたら、お客さまはすぐ買いたくなくなるんですよね。
仮屋:我々のような企業人って売上を100億から200億に伸ばしても給料は2倍にならない。でもこれって逆に企業人の強みだと思っていて、目先の売上だけにとらわれることなく、お客さまと企業にとって何がベストか、正しい思考で正しく判断ができるという側面もあるんですよ。
兒嶋:確かに、給料が倍になるなら売上だけを追ってしまうかも。
西井:奥谷さん*が同じこと言ってましたね。会社の売上が300億でも400億でも自分たち企業人にはあんまり関係ない。お客さまのことを考えて、正しいマーケティングをするだけって。
*奥谷孝司氏:西井がCMOを務めるオイシックス株式会社のCOCO(チーフオムニチャネルオフィサー)
仮屋:通販の世界はオンラインもオフラインもプッシュ型が過度になりがちなので、気を付けないといけないですね。
西井:インターネットってプッシュ型の施策がたくさんある一方で、お客さまが能動的に情報を探したり、情報を発信したりってシーンが多々あるので、買いたい気持ちを醸成していけるメディアだと思うんですよね。
仮屋:EC拡大に苦戦していたとき、横展開された施策の提案がたくさんあって、実行もしましたけど、西井さんがおもしろいのはノウハウの根っこは一緒なのかもしれないけど、少なくとも表に見える施策としてはA社、B社、C社でまったく違いますよね。
西井:課題がそれぞれ違いますからね。
仮屋:企業ってね、これなら絶対売れますってコピペの施策を提案されるとツライんですよ、ホントに。
兒嶋:ツライですよね。
仮屋:西井さんモテたいでしょ、じゃあこれ福山雅治のお面。兒嶋さんモテたいよね、はい福山のお面、モテますよーって言われても、何て言うのかな、今までの何十年間の人生を否定されたというか、いやモテるかもしれんけど、どうなんやろこれっていう(笑)。
一同:(笑)
兒嶋:で、意外とモテないんですよね。あの人顔だけ福山だけどアンバランスで何かキモいって(笑)。お客さまには見抜かれちゃう。
西井:顔だけで発言とか挙動は今までと変わらないっていう(笑)。
仮屋:検証の結果、福山の顔がモテることが分かりました、じゃあ全員福山で行きましょうって個性を一緒にされるツラさですよね、企業にも人格があるので。その点、西井さんはDNAレベルでモテる要素を植え付けながら、外見は大丈夫です、そのまま行きましょうって言ってくれてる感じがすごくして、自己否定しなくていい、オレまだがんばれるなって気持ちになる(笑)。
兒嶋:あーそれすごく分かります。
仮屋:性格のここちょっとモテ度低いから、このDNAだけ変えればあとはOKですって、そんなとこあるよね西井さんって。だからみんなが心地よく、自己肯定感を持ちながらビジネスができる。
兒嶋:あなたはここが優れているから、もっと伸ばしましょうよとか、すごく考えていただけてるなあって。
西井:ノウハウの横展開ができるのって、今このメディアならこのくらい伸びますよってところだけな気がするんですよね。今YCD(Yahoo!コンテンツディスカバリー)が良いとか。しかもYCDというメディアは良いけど、そこで何を表現するかで結果は大きく変わるし、もしかしたらYCDが合わないってケースもある。そこに愚直に対応していくのがマーケティングだと思っているので、全員同じ顔っていうのは違うと思いますね。
仮屋:それに兒嶋君が言ったとおり、お客さまって見抜くんだよね。この人福山じゃないって。だから一時的にCPAがちょっと上がっても、やっぱりLTVが合わないってなる。
兒嶋:例え話だけど、言い得て妙ですねえ。
西井:一昨日も社内でモテとLTVとCPAとCPOの話をずっとしてたんですよ。モテるLINEの送り方ってノウハウに従っても、もともとの人格あってのことだから結局コンバージョンしないよねって。で、コンバージョンせかすとLTVが下がるんですよ。売りたい気持ちが出過ぎちゃって(笑)。
仮屋:でも、売りたい気持ちって悪さをするけど、そこをきちんと自覚していれば、良い商品を買ってもらいたいって気持ちは本質的には悪ではない。だからこそ、こちらの売りたい気持ちをいかにお客さまの買いたい気持ちにいかに翻訳するかっていう西井さんたちのセッションを聞いて、一目ぼれですよ。アドテックの歴史に残る講演だと思ってる、おべんちゃらじゃなくて本気で。
西井:褒められまくって、かゆい感じなんですけど(笑)。
仮屋:西井さんを褒めるばっかりじゃおもしろくないから、ここ来る電車の中で西井さんの足りてないとことか、要望とかないのって兒嶋君に聞いたんですよ。
西井:それいいですね。
仮屋:でも、うーんって考えちゃって、足りてないところとかはないんだよね?
兒嶋:今のフェーズで私から言えることはないですよ(笑)。
西井:でもそれ聞きたいなあ、次回そこもうちょっと考えてみましょうよ。
サンスター株式会社様対談
vol.01 分からないデジタルマーケティングの正解。そこを見極める目を雇う
vol.02 分析力アップで機動力もアップ。社内主導のマーケティングへ
vol.03 売りたい気持ちを買いたい気持ちに翻訳する。それこそがマーケティングの本質
vol.04 伸びるのはどんな人?西井の上手な使い方(次の記事)
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