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株式会社エウレカ様

vol.3
広告の仕事はメインじゃない
CMOの真の存在価値とは?
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日本のオンラインデーティングサービスのトップをひた走るPairs。台湾でもヒットし、さらなるアジア展開も押し進めるこのサービスを運営する株式会社エウレカ様は、西井が約3年に渡って事業拡大のお手伝いをしている会社。西井が自らの弟子と称する同社CPO兼CMOの中村裕一さんと急成長する同社のこれまでを振り返ります。二人のマーケティング談義にもぜひご注目を。
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中村裕一様 / 株式会社エウレカ 取締役 CPO/CMO

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2011年同社に入社後、広告代理事業の営業職でトップの成績を収める。その後Pairsのマーケティング責任者、事業責任者を歴任し、サービスを大ヒットへと導く。現在CPO兼CMOとして、同社の事業戦略全般を担当。社内外から"とんかつ"の愛称で親しまれている。

西井:我々が事業拡大のためにディスカッションする中で、広告だけではなく人事や組織作りの話もしているって前回出たけど、それに関連して、私やとんかつにとってマーケティングって何かという話を今回はしたいなと。
中村:そうですね。
西井:マーケティングってイコール広告って思われがちだけど、実は全然そうじゃないと私は思っていて。
中村:採用媒体とかでマーケターの募集を見ると、広告運用をする人が求められていることが多いんですよね。だけどボクが思うマーケティングって何かと聞かれたら、それはもうシンプルに"事業を伸ばすこと"なので、プロダクト作りも、ブランディングも、もちろんアクイジションも、CRMなどのコミュニケーション構築もすべてマーケティングに含まれる。もっと言えばカスタマーサポートもマーケティングの一環だと思いますし。
西井:間違いないね。
中村:事業を伸ばすために必要なことはすべてマーケティングに含まれると考えているので、事業戦略を考えるときにマーケティングのフレームワークを使うだけでなく、それを実行するための組織作りや人事もマーケターにとって重要な仕事だと思いますね。
西井:どういう組織やチームを作れば、事業をより早く伸ばすことができるかという話とか、まさにマーケティングだよね。例えば広告宣伝部の部長だったら、広告の枠内だけで判断するけど、特にCMOっていう経営するポジションの人が広告のことしか考えなかったら、事業の成長は難しくなる。
中村:そうですよね。
西井:全体の数字を見て、どこにどれだけリソースを投下すれば事業全体がどれくらい広がるかとか、とんかつとはそういう話をしているよね。今日の午前のディスカッションでも、来期どの事業をどう広げるかという全体の話がまずあって、その延長で、どの広告を拡大するために、どんなソリューションが必要かっていう各論を話してる感じだよね。
中村:例えば事業が伸びるなら、広告予算をゼロ円にして、CRMに全予算を投下するという判断もアリだし、実際にZOZOTOWNさんとか上手ですよね。そこまで判断できるのがマーケターだと思うので、ボクらのサービスだとユーザーさんが「あれ良かったよ」と広めてくれることが大切なので、カスタマーサポートにリソースを全部寄せてもいいと思うんですよ。事業を伸ばすために必要なお客さんとのコミュニケーションは何か、その実現のためにどこにリソースを投下するか、ボクと西井さんがディスカッションしているのは、だいたいそういう話ですよね。
西井:エウレカでのとんかつは、オイシックス*での私のポジションに似てるよね。オイシックスのCMOって広告宣伝を全部握っていると思われがちだけど、ぜんぜん違って、広告に関しては広告部門のトップが決断をする。必要であれば、その人に助言をするかもしれないけど、どちらかと言えば、事業を伸ばすために広告にどう指標を設けるかとか、私はそういう役割を担ってる。
*西井がCMOを務める食品宅配EC企業
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中村:似てますね、役割。
西井:オイシックスでは私はシステム部門も兼任していて、外から見たら、なぜマーケターがシステムって思うかもしれないし、実際に技術的なことに詳しいわけではない。でも、システム部がどういう組織作りをすればもっと成長できるのか、システムがどう動けば事業を伸ばせるのか、そこを考えるのもCMOの仕事だと思ってる。結局、事業を伸ばすためのソリューションや組織作りを考えられるのがCMOやマーケターなんじゃないかな。
中村:それなのに CMOって肩書きだと、広告提案させてくださいってよく言われるんですよ。
西井:あー、それ言われる(笑)。
中村:各部門の予算キャップは決めますけど、広告予算の使い道はボクじゃなくて、広告部門のトップが決める。ボクには決定権がないから、提案されてもって思って(笑)。
西井:分かる(笑)。オイシックスに広告提案させてくださいってよく言われるけど、決定権ないしなって(笑)。もちろん、いい提案だったら紹介はするけど。CMOという役割の話でもっと言うと、広告の仕事自体、あんまりタッチしないよね。基本的には広告部門に任せてる。
中村:現場には筋が通った理論で個々の広告戦略を選んでいるか、その確認だけはしますけど、それ以外はたまにクリエイティブ見て「めっちゃイイじゃん」って社内SNSに投稿したり、「それどうやるの教えてよ」とか言っているくらいです(笑)。今ボクらが話しているマーケター像は、Match Groupで言うとCMOよりCPOに近いのかもしれないですね。
西井:とんかつはCPO兼CMOだけど、両者の違いって何なの?
中村:CPOはChief Product Officerで、デジタルマーケティングとかCRMとかも含めて、事業戦略全体を担っています。CMOはもっとブランディング寄りで、Match Groupの他ブランドだとテレビCMをはじめ、オフラインの広告に大きな予算が付くので、そこを見てる感じですね。
西井:他国ではオフライン広告に予算が付くから、なるほどね。
中村:なので、今ボクらが話していたCMO像はMatch GroupのCPOっていう肩書きにかなり近いイメージですね。
西井:そうだね、そっちに近いね。広告だけを深掘りするなら、広告代理店さんが一番詳しいし、他社や他国の広告についての知見があるのは絶対にプラスで、マーケティングのスキルとしても重要だと思う。ただ、私が考えるマーケティングはもっと幅広く課題に対応できないといけないので、例えばFacebookで広告しかできていないときに、同じ媒体で広告以外でも事業を伸ばす戦略を考えられるとか。
中村:冒頭の採用媒体の話で言うと、ボクはCMOで引っかからないですから。求められるスキルを見ても、リスティングの運用とかできないなって思うし、やったこともない。
西井:私はできるけどSEO・リスティング領域に詳しいCMO候補って言われると、別に私がやらなくてもいいかなと思う。そういう意味では、とんかつは私が思うCMOっぽいCMO。Match GroupだとCPOか。マーケティングで事業を伸ばすことを考えられる。
中村:ありがとうございます。
西井:さて、ここまでとんかつの成長ぶりから、3年間の我々の取り組み、マーケティング談義までいろいろ話してきたけど、もう一つとんかつと話したいのは通販のこと。
中村:あー、PairsやCouplesが通販業界のマーケティングを参考にしているって話ですか?
西井:そうそう。ファウンダーの二人とか、とんかつもよく通販から学んだって言ってくれていて、私は通販でずっとやってきたから、次回はその辺りを話したいなと。
中村:Match Groupの事例も含めて、おもしろいと思います、その話。
株式会社エウレカ様対談
vol.01 PCも敬語もできない新人が5年で取締役に。マーケターの驚異の成長曲線
vol.02 社内だけだと似た考えに偏りがちで反対意見がなく間違いが起こりやすい
vol.03 広告の仕事はメインじゃないCMOの真の存在価値とは?
vol.04 Pairsのマーケティングのお手本は通販。あらゆる事業での勝ちパターンがそこに(次の記事)
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